怒りをコントロールする方法

看護師は、不安な心理状態に陥っている患者を相手にするので、ときには理不尽な言動に対して怒りに駆られることもあるでしょう。しかし、患者につられて看護師も怒りを露にすると、ほかの患者に悪い印象を与えたり、集中力が低下し仕事に支障を来したりします。そこで看護師は、どんな不条理な事態に遭遇しても攻撃的な反応をせず、怒りをコントロールするスキルを身につけなければなりません。怒りを制御するメソッドとして挙げられるのが、アンガーマネジメントという手法です。

アンガーマネジメントの理論では、怒りの感情を抑え込むのではなく、怒るべきときは静かに怒ることも認められています。アンガーマネジメントは怒りを悪いものとして排斥したり、怒りに対する考え方を変えることを求めたりしません。怒りの本質を分析して怒りの感情に囚われたときにどう対処すべきかを示し、トレーニングを重ねることで怒りをコントロールできるようになるという理論です。

具体的な方法としては、静かに深呼吸して怒りが鎮静化するのを待ちます。可能ならその場を離れ、怒りと関係ないものを観察したり、ほかの仕事に専念したりして頭をリセットするのです。激しい怒りは6秒ほどで収まり始め、1分も経てば鎮静化するでしょう。記憶が甦って怒りの感情がぶり返したら、心の中で消ゴムを使って白紙に戻したり、汚れた場所を綺麗に洗い流したりするイメージトレーニングが有効です。もちろん、怒りをコントロールする術はさまざまな状況下で役立つので、習得しておきましょう。